これには気を付けて!毒きのこを判別する迷信

こんにちは、MERINGI(メリンギ)きのこマイスターの、めりです。
初対面の人と名刺交換するときに「きのこ芸人さんなんでか?」と言われるようになりました。ホクトさんやJA中野市さんの回し者でもありませんヨ?
食欲の秋、きのこは鍋や炒め物、カレーにハンバーグ!それもいいけど、野生の毒きのこにはご用心を。
今日もきのこ愛をもって記事を更新します。
毒きのこ判別の迷信
さっそく毒きのこを判別する方法の迷信をご紹介!
プロのきのこ狩り名人がいないキノコ狩りはおススメしません。
少なくとも「きのこ鑑賞会」にとどめるべきです。
これからご紹介する迷信を信じれば、あなたは未知の世界に行くことになるでしょう。
その1 明るい色をしていなければ毒きのこではない
これはよくある迷信です!
毒きのこで有名なベニテングタケ
カエンタケ
これらは、見るからに毒きのこってわかりやすいのですが、
タマゴタケなんてめちゃくちゃ奇抜で赤いのにおいしい!らしい。
つまり毒がないということ。
逆に地味な毒きのこでは、オオワライタケ
オオワライタケを間違って食べてしまうと、
意気揚々とやたら愉快となって笑いまた幻覚を見たが、
呼吸器・循環器・消化器には異常がなく、
症状は8時間ほど続き失禁もあり
引用元:Wikipedia
あー怖い怖い。
こんな症状はまだ軽い方のイメージ。
食べてめっちゃくちゃ気持ちよくなって気付いたら、
糞尿を垂れ流してたなんて想像できますか?
素人には見分けのつかないきのこです。
その2 柄が縦にさけるきのこは食べられる
これも何の根拠もあったもんじゃありません!
ちなみに「柄」はこの部分
きのこは基本的に食物繊維でできているので、
繊維状に縦にさけるものが多いです。
赤白で有名なベニテングタケの柄も縦にさけます。
うまく縦にさけない毒きのこでも、奇跡的に縦にさけてしまったら一巻の終わり…
あー怖い怖い…
その3 毒きのこでもナスと煮ると中毒しない
これもまた迷信です。
中にはナスと煮ることで消えるように感じるものもあります。
なぜこのような事が言われているかというと、
きのこに限らず、昔からナスには毒消し作用があると言われていました。
先人の知恵的な感じですね。
しかし、ナスと一緒に煮た料理でも食中毒になる事はあるそうです。
まだ科学的に調査できなかった時代の知恵は、今では覆されていることもあります。
先人の知恵は今でこそ、
「科学の無い時代にすでにわかっていたなんてすごい!」
なんてことだけでは無く、根拠がなく間違ってることもあります。
その4 塩漬けにすればどんなきのこでも食べられる
普通のみなさんはこれも信用してはだめです。
きのこを塩漬けにする理由として、
- カビや腐敗菌といった微生物が繁殖してしまうのを抑える為
- うま味をギュッ!!と引き出す
- 腐敗の進行を抑えて保存食に
などがあげられます。
毒キノコの成分で分かっているのが、ムスカリンやイボテン酸、アマトキシン酸など。
これら成分は生きた「菌」ではなく化学反応を起こすものです。
先ほどのナスでもそうですが、生きた物を殺せても化学成分を消すことはできません。
とはいえ、塩漬けはきのこの中の水分を抜くことから、
毒成分もつられて外に流れていくのも事実!
でも毒成分が全部抜けるとも限りません。
ちなみに残念なお知らせが。
うま味と毒成分は同じなので、毒を抜けば抜くほどうま味も抜ける
であることが多いです。
僕も実際ベニテングタケを塩漬けにして食べました。
そりゃあもうたまらん美味しさです。
少量食べただけなので、目立った症状は3年経った今もありません。
(こんな風にきのこを猛アピールしてるのが症状?)
その5 かじってみて変な味がしないものは大丈夫
続々と迷信が出てきます。
かじってみて変な味というのは表現があいまいです。
そもそも自分の舌を信用できますか?
どうですかね?(このひと誰?)
一旦話を変えます。
添加物は例外を除いて体に良くないとされています。
が、
更に美味しさを際立たせる物でもあります。
とはいえ、良くないと言われていても美味しいから食べてしまうのは、
「体に良くない」という信号を舌がスルーしてるから
それと同じで、先ほど【その4】の所で、きのこの「毒」と「うま味」は同成分だとお伝えしました。
かじってみて苦いならともかく、
美味しくても毒を持っているかどうかの判別となると、
人間の舌はあてにならないということです。
その6 ナメクジや虫がかじっていたら大丈夫
形は違えど同じ生き物が食べてるなら大丈夫!
なんてことも違います。
外見は綺麗に見える毒きのこでも、割いてみると虫が沢山いたりします。
その虫が後々どうなったか知られているわけではありませんが、
結論として、虫は毒きのこも食べます。
今の所わかっているのは、
虫が食べることはあっても哺乳類などの野生の動物は食べないようです。
明らかに動物がかじったような跡がある毒きのこを山で見かけることがあります。
おそらく吐いてもどしているのか、そのまま症状を味わってしまったのか…
人間だけが舌がバカなのかもしれません。
日本三大毒きのこ
これからご紹介する三種類の毒きのこは、
毎年秋ごろ誤食により、重体やお亡くなりになりニュースになる。
そんなケースがとても多い毒きのこです。
ツキヨタケ
ツキヨタケは「月夜茸」とも書かれ、
名前からして光りそうなきのこです。
昼間見るとこんな感じ
夜になると発光して光ります。
発光する成分は未だ明らかになっていません。
- 摂食後30分から3時間で発症し、下痢と嘔吐が中心となる。
- 腹痛をも併発する。
- 景色が青白く見えるなどの幻覚症状がおこる場合もある。
- 重篤な場合は、痙攣・脱水・アシドーシスショックなどをきたす。
- 少数ではあるが死亡例も報告されている。
間違えやすいきのこはムキタケ、ヒラタケなどがあげられます。

引用:© Kit Scates Barnhart
判別方法は、半分に割ってみた時に柄の近い部分が黒ずんでいると、
毒きのこのツキヨタケです。

引用:豊岡市立コウノトリ文化館
カキシメジ
これもまたややこしいフォルムのきのこです。
傘の色が美味しそうな感じの茶色なんでついつい手を伸ばしちゃいますね。
カキシメジ
- 喫食後30分 – 3時間後で、頭痛、腹痛、嘔吐、下痢を引き起こす。
- 医療機関により胃の内容物を吐かせ点滴療法により1 – 3日で回復する。
- 本種による死亡例は報告されていない。
間違えやすいきのこは、スーパーでもよく見られる
ホンシメジです。

引用:京丹波町観光協会
クサウラベニタケ
そして最後にクサウラベニタケ
きのこ狩りに少し詳しくなってくると、ついつい手を出しちゃう種類。
運転は慣れてきた時が危ない。
みたいな感じですね。
- 摂食後10分から数時間で症状が現れ、神経系および消化器系の食中毒を起こす。
- 死亡例もある。
- ただし、本種の毒性によるものではなく、激しい下痢による脱水症状の2次的なものによるであると考えられる。
ただ食べて苦しむだけでなく、二次的な作用が災いして重体になるケースもあるようです。
似ているきのこはこちら
ウラベニホテイシメジ

引用:石川県HP
ハルシメジ

引用:Wikipedia
ハタケシメジ

引用:Wikipedia
こうやって見比べると何となく違うような気はする。
でも実際に山へ行くと判別できるかどうか…。
最後に
もし万が一毒キノコを食べてしまい、
中毒になってしまったら。
取り合えず病院に迷わず行ってください!
とはいっても、病院では解毒剤があるわけではないので、
ひたすら体が頑張って毒が抜けていくのを待つしか、
今のところ手の打ちようがないようです。
「これは毒きのこだろうか?」
「見分けがつかない」
「多分大丈夫」
と思ったら絶対に食べてはいけません。
どうしても食べたかったら、最寄りの研究室に持ち込みましょう。
まあ、
怖いもの見たさで食べるどうかは自己責任ですがねー。